鮭の親子丼

これまでは、鮭の身は鮭の身で、いくらはいくらでという形でのレシピを紹介してきましたが、最後に鮭の身といくらを同時に使った鮭の親子丼を紹介しましょう。親子丼と言うと鶏肉と卵を使ったものを想像するでしょうし、現にただ親子丼といったら鶏肉のものを指すのが普通です。しかし、鮭といくらを一緒に食する鮭の親子丼があったっていいですし、実際に食べてみると非常に美味です。鮭の身もいくらも単独で十分おいしいですが、鮭といくら両方を一度に味わえるこの鮭の親子丼は鮭の醍醐味を思う存分堪能できるものだと思います。

鮭の親子丼のレシピ

鮭の親子丼を作るときに必要なものは、鮭の身といくらのしょうゆ漬けです。基本的にはいくら丼に鮭の身も一緒にのせればいいのですが、場所によって鮭は違うものが使われています。

焼き鮭をそのままのせる

いくら丼に焼き鮭をのせているだけのものです。これを鮭の親子丼と呼ぶには個人的には抵抗があります。いくら丼と焼き鮭を一緒に食するというのは別に何も問題はありませんが、ただ焼いただけの鮭をのせただけで鮭の親子丼というのはちょっと芸がなさ過ぎる気がします。折角鮭の親子丼として食するのであれば、焼き鮭をそのままのせるのではなく、何らかの加工をしたものをのせたいですね。

鮭フレークにしたものをのせる

いくら丼のいくらの部分に、鮭フレーク状にしたものを一緒にのせる親子丼です。鮭フレーク自体、ご飯にのせて食べることもできますから、この親子丼は誰もが思いつくでしょうし、実際に多くの人に好まれています。鮭フレークをわざわざ作らなくても、焼き鮭をただほぐしただけのものでも十分いけますし、おいしいですよ。

生鮭・スモークサーモンの切り身をのせる

いくらと一緒に生鮭をのせると、鮭といくらだけの海鮮丼みたいになってしまいますが、これも非常においしいです。特に刺身など生の魚が好きな人にはぴったりではないでしょうか。わさびや刻みのりをお好みで添えてお召し上がりください。人によっては、スモークサーモンをスライスして、鮭の親子丼にしているようです。

鮭の親子丼とはらこ飯

鮭の親子丼は、鮭といくらを一緒にご飯にのせていただくものですが、実は、この料理法に非常に似ているものとして、はらこ飯というものがあります。これは宮城県に伝わる郷土料理の一つで、今では東北地方の駅弁としても販売されている人気のある料理です。はらこ飯を作るときに必要なものは、鮭の親子丼と同じく鮭の身といくらなのですが、その作り方は少し違います。

  1. 鮭の切り身をしょうゆ・砂糖などの汁で煮込む
  2. 鮭を煮込んだ後の残り汁を米に入れてご飯を炊く
  3. 炊き上がったご飯に煮た鮭をほぐしたものを混ぜ合わせる
  4. このご飯の上にいくらをのせる

これがはらこ飯の基本的なレシピです。はらこ飯は郷土料理なので、各家庭によって流儀も変わっており、米にもち米を少し混ぜる、いくらに軽く湯をかけておくなど、様々なバリエーションが存在しているようです。一般的な鮭の親子丼がただ漠然と鮭をいくらを一緒に乗せるだけなのに対し、ご飯に鮭の身を混ぜること、また、鮭を煮た後の煮汁を使ってご飯を炊くところがポイントです。何度も述べていますが、鮭は何から何まで全ての部分が食材として利用できます。この鮭の親子丼にも似たはらこ飯はその鮭を無駄なく利用した料理といえるでしょう。

以上のように、様々な鮭料理のレシピを紹介してきましたが、ここで紹介した鮭料理は数ある鮭料理の中のほんの一握りです。世の中には、これ以外にも、非常に手の込んだ数多くの鮭料理が存在しています。鮭は非常に身近な食材ですから、ある家庭独特のオリジナルの鮭料理が無数に存在しているかもしれません。また、今後新たな鮭の料理法が作られ、広く世の中に広がっていくこともありえます。今まで、「焼き鮭といくら食べたらはいオシマイ」とやってしまっていた人もいるかもしれませんが、鮭には多くの魅力が隠されており、鮭を十分堪能していなかったことに気づいてくれたら非常にうれしいことです。是非皆さんも鮭の魅力を確認し、鮭を一生楽しんでいただけたらいいと思っています。

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