ルイベ

魚は様々な調理方法がありますが、その代表的なものとしてお刺身があります。鮭も魚ですから当然お刺身で頂くことができますし、お刺身用の鮭も店頭で販売されています。しかし、北海道に目を向けると、鮭は普通とはちょっと違うお刺身で食することがあります。それがルイベと呼ばれるものです。

ルイベとはどんな鮭料理か

ルイベとは基本的には鮭のお刺身なのですが、冷凍した鮭を解凍せずにそのまま薄く切ってお刺身として食べるものです。ここから、鮭に限らず、他の魚も冷凍状態のままお刺身として食べるものをルイベと呼ぶことがあります。凍らせたお刺身よりも、生のお刺身の方がおいしいと思う人は生のお刺身で食するでしょうし、実際に他の魚をルイベにするというのは余り聞いたことがありません。鮭も勿論生のお刺身で頂くことができますが、昔から鮭の食し方として存在していますし、今でも根強いファンがいます。
ちなみに、世間には生鮭といくらをしょうゆなどで漬け込んだルイベ漬けと呼ばれるものがありますが、ルイベとルイベ漬けは同じルイベという言葉が使われているだけで、この2つは全くの別物です。

ルイベの語源

ルイベはアイヌ語の「ルイペ」が語源であるといわれています。「ル」は溶ける、「イペ」が食べ物という意味だそうで、「ルイペ」=「溶ける食べ物」ということらしいです。もともとは鮭ではなくコマイという魚を食する方法として行われていたようですが、その方法が鮭にも取り入れられたということなのでしょう。

ルイベの作り方

ルイベの作り方といっても、特に話すことは余りありません。お刺身用の鮭、もしくは塩がついていない鮭をさばいたものを冷凍させ、それをお刺身のように切って解凍される前にそのままわさび醤油などで頂くというだけの至ってシンプルなものです。普通のお刺身と違って凍っていますから、独特のしゃりしゃりとした食感が楽しめます。

ルイベの意外な効用

ルイベはその料理の性質上、生鮭を一旦凍らせることになるのですが、この冷凍が実は意外な効果を発揮しています。生魚は寄生虫などの問題があることは皆さんもご存知だと思いますが、当然鮭にもこの問題があります。鮭にはアニキサスという虫がおり、これが人間の体内に入ると猛烈な腹痛と嘔吐を引き起こします。しかし、このアニキサスは低温に弱く、−20度以下になるとしんでしまいます。従って、ルイベにするために一旦冷凍することによって寄生虫の問題から開放されるのです。また、市販されている鮭は脂の多いものが多いのですが、冷凍したときに水分と一緒に脂も落ちて、その分鮭独特の風味がより感じられるという効果もあります。ルイベという鮭の料理は、衛生的にも味的にも非常に優れた調理法なのです。

鮭のルイベ漬けについて

最後に、ルイベ漬けについて少しだけ触れておきましょう。ルイベ漬けとは先ほども述べましたが、生鮭といくらをしょうゆなどに一緒に漬け込んだ料理のことです。とろけるような食感が楽しめることからルイベという言葉がつけられたと思われますが、本来のルイベとは趣が全く異なります。まあ、意味が違っていたとしても、ルイベ漬けも甘辛く仕上がっていておいしいので、別に取り立てて文句を言うつもりは全くありませんが、ルイベとルイベ漬けではその料理の内容自体が違うので混同しないように注意しましょう。ルイベ漬けは北海道などのお土産屋にも置いてありますし、通信販売もされているようなので割と気軽に入手できると思います。

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